柊風舎

古代エジプト文明辞典

図説 古代エジプト文明辞典

著者 : トビー・ウィルキンソン
監訳者 : 大城道則
ISBN : 978-4-86498-036-4
定価 : 本体:15,000円 + 税
判頁 : A5判/400ページ

◆紀元前3000年における国家の統一から、紀元前332年のアレクサンドロス大王の征服の間に即位したすべての王に対し項目を設ける
◆王と王朝、神と女神、ヒエログリフやミイラ製作、寺院と墓、考古遺跡、美術・宗教・言語・医学など、様々な角度からの探求が可能
◆エジプトの地図およびギザ、サッカラ、王家の谷、ルクソール神殿、カルナク神殿の遺跡平面図を収録
◆参考文献、欧文項目対照索引を完備
◆項目数1100、収録図版300点余

内容例

棍棒頭 macehead
殴打用の武器。円盤型、双円錐型、または洋梨型の石塊からなり、木材、角、または象牙製の柄が取り付けられていた。先王朝時代初期から知られた棍棒頭は、権力の重要な標章であった。それゆえ、純粋に象徴的なものであった土製棍棒頭は、しばしば副葬品の中に含まれていた。上エジプト出土の最古の棍棒頭は、紀元前4千年紀初頭の墓の中で発見された。円錐型で、殴打のみならず撫切りや切断にも使われた。双円錐型や洋梨型の棍棒頭は、紀元前4千年紀半ばに導入された。後者は下エジプトからもたらされたと考えられる。洋梨型の棍棒頭は、メリムダ・ベニ・サラーマの住居址の上部で発見されたおそらく近東起源の原型に由来するものである。洋梨型の棍棒頭は、ヒエラコンポリス出土のサソリ王やナルメル王の大型儀礼用棍棒頭から明らかなように、第1王朝はじめにかけて王権と密接に結びつくようになった。王が敵を打擲するという王の力を示す典型的なモチーフは、先王朝時代初期からローマ時代末期にかけて、エジプトの図像における特徴的な要素であった。